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住職からのお話

第115話

『王子の演技』

 昔、あるところに人を厳しく罰する王さまがいました。
 王子は父王が盗賊を串刺しの刑にする様子などを見て恐怖し、どうすれば王にならなくて済むだろうと悩みました。
 そして、王として相応しくないと皆に思わせれば良いと考えました。

 それ以来、王子は誰の言うことにも耳を貸さず、ベッドから動こうともしませんでした。
 無関心を装う王子に対し、王は玩具(おもちや)や美味(おい)しいご馳走(ちそう)といった子供の喜びそうなものを色々と与えました。
 しかし、王子は十六年間も沈黙を貫き通しました。

 周囲は王に対し、王子はこのままでは国に災いをもたらすので、森に捨てるのが良いと告げました。
 王は一人の御者に王子を森へ捨ててくるよう命じました。
 御者が王子を連れて森に着きますと、王子は遂に十六年間の労苦が報われると喜び、御者にこれまでのいきさつを話しました。
 御者は王の下に引き返し、王子がこれまで演技をしていたと告げました。
 王は我が子の考えすら見抜けなかったのに、人を厳しく罰していたことを悔い、行いを改めるようになりました。

真宗大谷派 唯徳寺

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