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住職からのお話

第8話

『節分とは』

 節分とは「季節を分ける」という意味で、それぞれの季節が始まる日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日を指します。特に立春(2月4日ごろ)の前日(2月3日ごろ)を節分と言う場合が多いです。また、その日に行われる伝統的な行事も節分と呼ばれます。

 季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられていましたので、宮中ではそれを追い払う行事が奈良時代から執り行われていました。近代には宮中の行事が庶民にも採り入れられ、寺社などで豆をまくようになりました。豆などの穀物は魔除けの呪力が備わっており、生命力があると信じられていたので、自分の数え年より一つ多く豆を食べれば、体が丈夫になるとも言われます。

 今でも節分の行事が催されている寺社があり、神社では節分祭、寺院では節分会(せつぶんえ)と称されています。そこでは豆まきの他、追儺(ついな)式が行われるところもあります。追儺とは鬼の役を演じる人を追い払う儀式で、節分のルーツとされます。

 豆まきでは「鬼は外、福は内」の掛け声で豆を撒きます。しかし、様々な理由から「鬼は内」としているところもあります。真宗でも鬼は自分の内にいるという考えがありました。

 それは角隠(つのかく)しというもので、江戸時代、真宗の寺院に参る女性は、黒い布で頭を覆い、髪の生え際(すみ)を隠しました。これは怒りを象徴する角を隠し、自分の内にある鬼のような心を自覚するためです。現在は婚礼に用いられています。

真宗大谷派 唯徳寺

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