第106話
『ブーリダッタ』
龍のブーリダッタは心身を清めるため、修行をしようと決意しました。
彼は龍宮を出ると、川の岸辺で蛇となり、とぐろを巻いて修行しました。
ある日、蛇を狩る猟師に矢を射られ、ブーリダッタは修行を邪魔されることを恐れ、別のところへ移りました。
しかし、そこに今度は蛇使いがやってきました。
ブーリダッタは蛇使いの手に渡り、乱暴に芸を仕込まれました。
彼はこれまでの修行が台無しになってしまうのを恐れ、怒ることなくじっと耐えました。
蛇使いは人前でブーリダッタに踊りをさせて金を儲けました。
村々を興行して回り、遂には王宮で踊らされることになりました。
当日、ブーリダッタはしつらえられた観客席を見ますと、観客の中に兄がいました。
兄はブーリダッタを助けるため、人に化けており、彼を蛇使いの手から奪い返しました。
兄は猟師や蛇使いの行いに怒りましたが、ブーリダッタは彼らは生活のためにそうしただけと言い、このような世の中で自分だけ清くあろうとしても無理であると悟りました。
真宗大谷派 唯徳寺
