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住職からのお話

第74話

『駱(らく)駝(だ)と壺(つぼ)』

 昔、ある農家で駱駝が飼われていました。
 また、農家の米は壺に入れていました。
 牧場の主人は牛を100頭も飼っているのが自慢でした。

 ある日、駱駝が頭を壺に突っ込んで米を食べ始めました。
 すると、駱駝の頭が抜けなくなりました。
 駱駝は唸(うな)って苦しがりました。
 それを見た農家の人はおろおろしました。
 壺を割ってしまったら、米を入れられなくなります。
 しかし、このままでは駱駝が死んでしまいます。

 そこに知り合いの老人がやってきました。
 農家の人はおろおろする余り、駱駝の頭が壺が出るなら何でも良いので、知恵を貸してほしいと頼みました。
「それなら、私の言う通りにすれば、直ぐに駱駝の頭が壺から出ます」
「どうするのか早く教えてください」
「駱駝の首を切れば、自然に壺から抜けます」
「ありがとうございます」
 駱駝は死んで壺も落ちて割れました。

 問題を焦って解決しようとすれば、却(かえ)って酷いことになりかねません。

真宗大谷派 唯徳寺

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