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住職からのお話

第16話

『月見とは』

  月見とは満月を眺めて楽しむことで、主に「中秋(ちゅうしゅう)の名月(八月十五夜)」を指します。「中秋」とは「秋の中日」のことで、旧暦の八月十五日を意味します。旧暦の八月十五日は新暦では秋分(九月二十三日頃)の前後半月あたりに当たります。

 秋分は太陽と月の角度によって、眺めて楽しむのに最も適した位置に月が来ると言われます。それゆえ、東アジアではその時に満月を眺めて楽しむ習慣が古くからありました。日本では平安時代ごろから貴族などの間で宴が催されたと伝えられています。

 現代では月が見える場所などに薄(すすき)を飾り、月見団子・里芋・枝豆・栗などを盛り、御神酒(おみき)を供えて月を眺めます。お寺では秋の実りを願う満月法会を催すところもあります。また、日本独自の風習で旧暦九月十三日の「後の月(九月十三夜)」や旧暦十月十日の「三の月(十月十夜)」があります。

 月見は阿弥陀如来とも関わりがあります。天気によっては月を見られない場合もありますので、月待ちという風習があり、二十三夜に月を待つ二十三夜待ちには月光に照らされて阿弥陀仏が観音菩薩(かんのんぼさつ)および勢至菩薩(せいしぼさつ)と共に現れるとされました。月光に照らされて阿弥陀三尊(あみださんぞん)が現れるとされたのは、月の模様が三尊に見えたからです。

 月の三尊を拝めば、子宝を授かったり願い事が叶ったりすると信じられていました。人々は月を待つ間、空がよく見える高台にて遊んでいたそうです。現在でも二十三夜待ちを行った人々が造った二十三夜塔が各地に残っています。

真宗大谷派 唯徳寺

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