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住職からのお話

第15話

『重陽とは』

  重陽(ちょうよう)とは九月九日の節句です。中国ではあらゆるものが「陰」と「陽」の二つに分けられましたが、数も奇数が「陽」とされました。九は一桁の数において最も大きい奇数だったので、それが重なる九月九日は、晴れやかな祝いの日になりました。

 九月には菊の花が咲くので、重陽では菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わして節句を祝いました。他にも菊の花を飾ったり、綿に染み込ませた菊の露で体をぬぐったりしました。菊には薬効があるとされていたため、長寿が願われました。

 ただし、重陽は他の節句と比べ、現代では余り実施されていません。もっとも、今でも料亭では日本酒に食用菊を浮かせた菊酒がお客さんに出されることがあります。また、九月十五日の「敬老の日」は重陽の節句が起源の一つとされています。(※今は九月の第三月曜日が「敬老の日」です)

 「敬老の日」の起源は幾つかあるとされていますが、「聖徳太子(しようとくたいし)が四天王寺(してんのうじ)に悲田院(ひでんいん)を建立した日」もその一つと言われます。悲田院とは身寄りのない老人や孤児を収容した福祉施設で、四天王寺は現在の大阪市にある寺院です。聖徳太子の創建と伝承されるこのお寺には親鸞聖人も参篭されました。

 親鸞聖人は日本に仏教を広められた聖徳太子を「和国の教主」と崇められ、四天王寺と同じく太子が建てられたと伝えられる河内の叡福寺(えいふくじ)や京都の六角堂(ろつかくどう)にもお参りされました。なお、四天王寺の境内には親鸞聖人を顕彰した見真堂(けんしんどう)という建物があります。

真宗大谷派 唯徳寺

唯徳寺イメージ画像