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住職からのお話

第14話

『お盆とは』

 「お盆」は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」を略したもので、「盂蘭盆(うらぼん)」はインドの言葉である「ウランバナ」から来ており、「逆さに吊されたような苦しみ」を表しています。『盂蘭盆経(うらぼんきよう)』というお経でお釈迦さまはお弟子さんの目連尊者(もくれんそんじや)から、あの世で逆さに吊されたように苦しい飢えに悩まされている目連さんのお母さんを救ってくださるよう頼まれます。お釈迦さまはお仲間のお弟子さんたちに食べ物を施すようすすめられ、目連さんがそうされますと、お母さんは飢えの苦しみ救われました。

 このことを通し、お釈迦さまは単に自分の身内としてではなく、共に仏道を歩む上で最も近しいお仲間として、ご家族やご先祖さまのことを追憶するようよう説かれました。これが元となり、旧暦か新暦の七月十三日から十六日からの四日間、お盆の行事が営まれます。真宗でも亡き人をご縁とし、人々の繋がりによって伝えられてきた教えに耳を傾けます。

 お盆にはお仏壇の上卓と前卓に打敷をかけます。打敷はどのようなものでも良いのですが、蓮の模様がお盆には相応しいとされています。お花は槇(まき)の木、蓮のつぼみや巻き葉、季節の花などがよく挿されます。

 もし華束(けそく)がございましたら、杉盛(すぎもり)の華束を一対お備えします。他にもお飾りには切籠(きりこ)というのがあります。これは俗に言う盆灯籠(ぼんどうろう)です。

 ご自宅のお仏壇でお盆のお勤めをされる場合、十四日と十五日のそれぞれ朝および夕方に正信偈(しようしんげ)をあげます。お勤めの前にはろうそくに点火してお焼香をします。お仏壇には先祖代々の法名軸を全てかけます。

真宗大谷派 唯徳寺

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