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住職からのお話

第111話

『ラーマ王子物語』

 昔、ラーマという王子がおり、妻のシーターおよび同母弟のラッカナと共に森で慎ましやかに生活していました。
 そのようなところに異母弟のバラタがやってきました。

 バラタは自分たちの父であるダサラタ王が亡くなったことをラーマたちに告げました。
 ダサラタ王の死を知らされ、シーターとラッカナは泣き崩れました。
 しかし、ラーマが泣くことはありませんでした。
 バラタはどうしてラーマが泣かないのか不思議に思いました。
 ラーマは「この世での命が終われば、必ず浄土へと往生し、仏さまとならせていただくのだから、それは大変ありがたいことだ」と答え、涙に暮れていた者たちは泣き止みました。

 三重県のある地域では真宗門徒の家でご家族が亡くなられた際、葬儀の席でお赤飯と唐辛子汁が供されます。
 お赤飯は往生の喜びを、唐辛子汁は遺された者の悲しさ寂しさを表します。
 仏さまとなるのは喜ばしいことであると頭では理解できますが、遺された家族としてはどうしても涙が零(こぼ)れてしまうものです。

真宗大谷派 唯徳寺

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