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住職からのお話

第103話

『金色の鹿』

 昔、ある林にルルという金色の鹿がいました。
 ある日、ルルは河の流れに押し流されている一人の男を見ました。
 ルルは河に入り、男を背中に乗せ、岸辺へと運んで手厚く介抱し、自分の住んでいるところを誰にも教えてはならないと約束させました。

 男が元気を回復し、都に戻った日、そこの王妃が金色の鹿を夢に見ました。
 王妃はその鹿に会いたいと王に願い出たので、王は金色の鹿が住んでいるところを知る者には褒美(ほうび)を取らせようとお触れを出しました。
 男は褒美に目が眩(くら)み、ルルとの約束を破り、その居所(いどころ)を王に告げました。

 生け捕りにされたルルは、王の背後に例の男を見付けますと、男を救った経緯(いきさつ)を王に話しました。
「恩知らずの奴め」
 王はルルの話を聞くや、男を殺そうとしたので、ルルは王に言いました。
「王さま、人間は言うこととすることが違うものです」
 王は即座に首を振りました。
「私はそんな人間ではない」
「でしたら、私の住んでいるところを知らせた褒美に、その男を許してください」

真宗大谷派 唯徳寺

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