TEL:072-687-8667

アクセス
唯徳寺へのお問い合わせ

住職からのお話

第100話

『シビ王』

 昔、シビ王という心優しい王さまがいました。
 神さまはその心を試すため、鷹(たか)と鳩(はと)を王さまのところに行かせました。

 鷹は鳩を襲う振りをし、鳩は鷹から逃げるのを演じて王さまに命乞いしました。
 王さまが鳩を守ったので、鷹は彼に尋ねました。
「私はお腹が空いています。鳩を食べなければ死んでしまいます。貴方は鳩の命が私の命よりも大事だと思っているのですか?」
 王さまは鷹の命も大切だと思い、鳩の代わりに自身の肉を鷹にやろうと思いました。

 王さまは鳩を天秤(てんびん)の一方に置き、自分の肉を切り取り、もう一方に置いていきました。  しかし、その天秤はどれだけ王さまの肉を切り取って置いても、鳩の重さと釣り合いません。  そこで、王さまは自身を天秤に乗せ、自らの命を与えますと、鳩の重さと釣り合いました。

 シビ王の心を知った神さまは、王さまの傷を元に戻し、彼のことを敬いました。

真宗大谷派 唯徳寺

唯徳寺イメージ画像